いろいろなものに抗い、やり過ごし、ときには憤り…などを繰り返しているうちに季節は冬から春、夏の気配を感じるほどになってきました。2020年に刊行された楽譜のうち、上半期に刊行されたものをご紹介します。5月分は別記事に。
無伴奏男声合唱のための「三つの情景」(カワイ出版)
2017年に行われた、Ensemble Bel HommeとMu Projectのジョイントコンサートにて委嘱初演された作品です。栗原寛さんの短歌5首をテキストに、夏という季節をめぐる人々のうつろいを描いた曲集。時間も短め(3曲で6分半)なので、合唱祭やアンサンブルコンテストにも。
混声合唱曲集「東京ラプソディ」〜東京のうたをあつめて〜(エレヴァートミュージック)
2020年、東京オリンピックを迎えて更なる高まりを見せる(はずだったんですよ…!)「東京」という都市をテーマに、ゆかりのある歌謡曲をやさしい混声合唱に編曲しました。「東京ラプソディ」「東京キッド」「東京ブギウギ」「東京五輪音頭」の全4曲。参考演奏CDは付属しません。
地上の星(中島みゆき)〔女声3部合唱〕(エレヴァートミュージック)
すでに混声4部版が刊行されていますが、同じサイズで女声3部合唱に編曲したものです。参考音源CDつき。
NHK出版オリジナル楽譜シリーズ「あれから」
2019年のNHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」のために書き下ろされ、大きな反響を呼んだ曲です。女声合唱版の編曲を担当しています(楽譜にはピアノソロ・ピアノ弾き語りの譜面も収載)。ぷりんと楽譜と@ELISEで配信も行われています。
NHK出版オリジナル楽譜シリーズ 大河ドラマ「麒麟がくる」/ピアノ・ソロ・アルバム
2020年大河ドラマ「麒麟がくる」のテーマ曲”Warrior Past”と、紀行の音楽「麒麟紀行I」のピアノソロ編曲です。骨太なオーケストラの響きをピアノ1本へ昇華させるのはなかなか大変でした。こちらもぷりんと楽譜と@ELISEで配信あり。
新・中学生のためのクラス合唱曲集「千年樹の夢」(音楽之友社)
栗原寛さんとシンガーソングライター・大藤史さんによるユニット「ふみくり」による新作クラス合唱曲「てのひらのなかのあした」「この日、こころに鳴る鐘に」の2曲、合唱編曲を手がけています。参考演奏CDつき。レコーディングは1月下旬から2月初旬にかけて行われ、いま思うと演奏・録音ができたのもかなりギリギリの状況下、無事に発売されてよかったです。