2023年に出版された楽譜たち

3月が去ってしまう前に…！ということで、2024年が2ヶ月半ほど過ぎていますが、昨年出版された拙作の楽譜をまとめました。おおよそ発売順、タイトルのリンクは各曲の公式紹介ページです。実はもう1冊前年のうちに出ているのですが、こちらは別途紹介したいと思います。

オリジナル

■グリークラブ・ソングセレクション II ぜんぶ（音楽之友社）これまで未出版だった男声合唱曲を集成し、約40曲を3分冊で刊行する合唱曲集です。拙作は男声アンサンブルのための「十五のこころ」、男声合唱曲「さびしき野辺」が掲載されました。「十五のこころ」は石川啄木の短歌をテキストとする、4人から歌える作品（初演は男声アンサンブルVeri Ragazzi）。どちらも初演当初のものから改訂して決定版としています。後者の原型を書いていたのは20年ほど前、まだ大学生だったころです。

■リーダーシャッツIV（カワイ出版）
カワイ出版の創立50周年と、日本合唱指揮者協会の創立60周年を記念して刊行された新しい愛唱曲集です。2022年に初演された「ささやき」（作詩：和合亮一）が混声合唱、既刊「レモンイエローの夏」（作詩：みなづきみのり）が無伴奏混声合唱、既刊「桜の花びらのように」（作詩：みなづきみのり）が女声合唱の各編にそれぞれ掲載されました。今回はA4判型、混声・女声あわせて6分冊と大ボリュームの曲集です。大学生のころ使っていた新リーダーシャッツはB5版の小さい楽譜でした。20年の時を経て、拙作がリーダーシャッツに掲載されたことに感慨を覚えます。

■色とりどりのキャンバスに（作詩：栗原寛／ウィンズスコア）
ウィンズスコア社の合唱楽譜レーベル・エレヴァートミュージックから刊行された、初のオリジナル作品です。私を含む4名の作曲家による新曲が同時リリース。歌人・詩人・合唱指揮者・ピアニストとマルチに活躍する栗原寛さんにことばを書き下ろしていただき、ポピュラー的な有節形式を持つ合唱作品として作曲しました。世代を問わず、熱く歌いあげてください！

■無伴奏混声合唱のための「虎よ」（作詩：William Blake／Edition ICOT）
第9回日本国際合唱作曲コンクールにて日本人初の1位を受賞した作品です。2024年度の第6回東京国際合唱コンクール課題曲（現代音楽部門）。初演は2023年8月、軽井沢合唱フェスティバルにて行われました。英語のテキストによる合唱作品は習作を除けばほとんど初めて、思いがけぬ賞をいただけて嬉しかったです。

■混声合唱とピアノのための4つのスケッチ「君はかわいいと」（作詩：安水稔和／カワイ出版）
2019年にGaia Philharmonic Choirによって委嘱・初演された作品です。生きるものたちへ寄せる詩人のまなざしや祈りを、それぞれスタイルの違う音楽でまとめました。安水稔和先生は惜しくも2022年に他界され、楽譜の出版をご報告できなかったのが残念です。初演の音源をお送りしたとき、いただいた葉書の力強い筆致を思い出します。

このほかにも、カワイ出版の創立50周年のお祝いとして書いた「消印」（作詩：峯澤典子）が昨秋から無料ダウンロードで配信されていました。

アレンジ

■アニソン合唱プロジェクト”ChoieL（クワエル）”のための合唱編曲
2022年に引き続き、このプロジェクトに携わりました。新規で追加された6曲中、「アイカツスターズ！」2ndシーズンOPの「STARDOM！」を編曲しています（女声／同声三部合唱）。今年は第2回オンライン合唱コンクールが開催されるので、ぜひチェックを！

■可愛くてごめん混声三部混声四部女声三部男声四部（ウィンズスコア）
SNSを中心に大きな話題をさらった作品。本家の動画のほか、歌ってみた・踊ってみた動画などにも注目が集まりました。参考音源CDは付属せず、別売りのダウンロード版か、アプリ「Winds Studio」経由で入手するかのいずれかとなります。いくつか歌ってくださった音源がアップされていますが、ここではアニソン・ゲーム音楽などを専門に歌う合唱団、Nova Animaによる演奏を。