うっかり年が明けてしまいました。これまでのあらすじはこちら↓
JASRACと信託契約を結んだのでその一部始終を書くよ〜その1
さて、JASRACのサイトから具体的な申し込みについて検討している旨をフォームで送ると、書類一式が送られてきます。
・著作権信託契約と入会のご案内
・著作権信託契約申込書一式
要するに信託契約を結ぶために記入すべき書類と、JASRACの決まり事(信託契約の約款や規定)などを書いた冊子ですね。
JASRACのサイトでも必要な書類について説明がありますが、ひとつひとつ見ていきましょう。
【必要書類】
(1)戸籍謄本(発行後3ヵ月以内の原本1部)
(2)印鑑登録証明書(発行後3ヵ月以内の原本1部)
(3)本人写真1枚(撮影後3ヵ月以内のもの1枚、縦4cm×横3cm)
(4)著作権信託契約申込書
(5)履歴書
(6)作品利用申告書
(7)第三者に利用された作品についての「作品届」
(8)CD等、第三者利用を証明する資料各種
※(4)~(7)についてはJASRAC所定の用紙がございます。
「著作権」といっても、大まかには「著作者人格権」「財産権としての著作権」の2つに分かれています。「著作者人格権」は、著作者本人が公表するタイミングや方法を選んだり(公表権)、著作物に氏名を表示するかしないか、表示するときはペンネームか実名かを選んだり(氏名表示権)、勝手に内容を改変されるのを防いだり(同一性保持権)といった部分の権利であり、これらは「一身専属権」と呼ばれ、著作者と不可分の領域であります。JASRACに信託するのはもうひとつの「財産権としての著作権」であり、例を挙げると「複製権」(楽譜の出版やCDのプレス)、「演奏権」(コンサートなどでの演奏)、「公衆送信権」(テレビ放送やインターネット中継などで流す)…といったような各種の使用形態に応じた権利(支分権)です。こちらの権利は不動産や土地の権利と同じで、その全てや一部を相続したり譲渡したり、ということができるのです。厳格な本人確認のもとに信託契約の手続きが行われる所以もうなずけるところであります。
さて、(1)戸籍謄本や(2)印鑑登録証明書は役所へ行ってしかるべき手続きをすると手に入りますし、(3)本人写真1枚も、いわゆる「アー写」のようなものである必要はありません。履歴書に貼る写真、のイメージです。
(4)著作権信託契約申込書 については、信託する権利について選べる欄があります。特定の権利については自分で管理したい(もしくはイーライセンスやJRCなど、他の管理団体に信託したい)という場合に使えるんですね。自分の場合はとくにそのあたりの希望はなかったので「すべて」を選びました。(5)履歴書 はほぼ一般的な様式のものですが、「主要作品」を書く欄があります。
(6)作品利用申告書 は、自分の作品がどのように使われたか、の実績を申告するものです。実績が演奏の場合はコンサートの名称や会場、出版の場合は出版社などを記入します。このあたりは種類ごとに様式が分かれており、「放送」の場合は放送局の証明を受ける必要があります。これらの実績の裏付けとして必要なものが(8)CD等、第三者利用を証明する資料各種 です。自分の場合はカワイ出版(河合楽器製作所)から刊行されている作品の楽譜をそのまま送付しました。(このあたりも、別の書類で何が必要かが詳しく説明されています)
(7)第三者に利用された作品についての「作品届」 ですが、JASRACと信託契約を結ぶと、作成した著作物ごとに「この作品を作りましたよ」という申告をしなければなりません。信託契約を結ぶときに、その使われた作品を申告してね、というわけです。ここでミスをしてしまったのですが、合唱組曲など、複数の曲からなる作品は「曲ごとの作品届」+「親曲(組曲として)の作品届」を提出することになっています。親曲の作品届を忘れてしまい、あとで問い合わせの通知が来ました。
これらの書類に加えて、JASRACの「準会員」として入会する場合は入会申込書も送る必要があります。
毎月20日の締め切りに間に合うように書類を揃えて提出し、月1回行われる理事会での審査を待ちます。そのあとの流れについてはまた次回。